映画ブログは著作権侵害になるか?侵害を回避する5つの対策!

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映画ブログって著作権的にけっこうグレーだと思うんだけど、実際どうなの?




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2021/7/1追記


ファスト映画を投稿していた人たちが著作権侵害で摘発されました。後述しますが、映画ネタバレブログもやっていることはファスト映画と本質的には変わらないと思います。映画ブログを運営している人、始めようかなと思っている人は今一度著作権関係について見直す必要があるでしょう。

いまではただの雑記ブログになってしまったモナリザ.comですが、当ブログも元々は映画ブログとして運営していました。


映画ブログはその性質上、他ジャンルと違って、ちゃんと勉強していないと知らず知らずのうちに著作権侵害を犯してしまいがちです。


この記事では、映画ブログ運営時代にいろいろ調べて培ったノウハウをまとめて共有させて頂きます。


映画ブロガーさんや映画ブログを始めようとしている方の一助になれば幸いです。



映画ブログは常に著作権侵害と隣り合わせ

映画ブログは非常に難しいジャンルで、安易に画像を持ってきたら無断転載、映画の紹介の仕方も内容によっては翻案権(後述)の侵害になってしまいます。


とはいえ、例えばあるシーンについて説明や考察するとき、あるいは出演俳優の紹介など、劇中の画像や俳優の画像を使いたくなる時ってどうしてもあると思います。


こういうのは他ジャンルと違って著作権フリー画像では代替できないので、何とかして映画の画像を使いたいですよね。


そんな悩みにこたえるべく、記事の前半では「なにをどうすれば著作権侵害になるのか」、記事の後半では「健全な運営のための5つの対策」を解説します。


逮捕もあり得る 著作権

第四十八条 次の各号に掲げる場合には、当該各号に規定する著作物の出所を、その複製又は利用の態様に応じ合理的と認められる方法及び程度により、明示しなければならない。
引用元:著作権法 | e-Gov法令検索


無断転載をしてはいけませんということです。


例えば、


・映画の考察記事で、ある場面について分かりやすくしようと思い公式サイトの画像をコピペした


これは、公式サイトの画像であることを明示せずにさも自分のものであるかのように著作物を利用しているので、立派な著作権侵害になります。


「自分の描いたイラストが、勝手に他のブログで使われていた」という状況を想像すると分かりやすいですね。


著作権侵害は親告罪であり、侵害された著作者からの訴えがなければ事件にならないため、著作権侵害したからといって捕まるようなことは正直あまりないと言えますが、だからといって軽んじてはいけません。


捕まるときは捕まります。


ブログで言えば、こちらは画像でなく文章の無断転載ですが、Gooヘルスケアに掲載された、(株)法研が著作権を持つ文章を自分のブログに163回無断転載して逮捕された男の例が有名です。


このように、画像であれ文章であれ、他人が創ったものを無断で使うと著作権侵害になります。


これは、正しい引用SNS画像埋め込みで回避できます。

詳細なネタバレは要注意 翻案権

第二十七条 著作者は、その著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案する権利を専有する。
引用元:著作権法 | e-Gov法令検索


映画の内容を詳細に書き起こしてはいけませんということです。


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詳細って具体的にどの程度?

読めば映画の起承転結がだいたいわかってしまうような内容はアウトです。





・オープニングからエンディングまでの内容を、映画を未見の人でも分かるような言葉で紹介した上で、自分の感想を述べた



これは、言わば映画を文字起こししているような状態なので、翻案権の侵害に問われる可能性があります。


では実際どのくらいまでセーフかというと、2~3行でまとめるくらいなら大丈夫らしいです。


一方、2~3行程度の極く短い内容紹介や「夭折の画家の美しくも哀しい愛の物語」などのキャッチコピー程度のものであれば、著作権が働く利用とは言えず、著作権者の了解の必要ありません。
引用元:https://pf.bunka.go.jp/chosaku/chosakuken/naruhodo/answer.asp?Q_ID=0000338


とはいえ、ネタバレ記事というのは、「最後まで映画を見たうえで、あのシーンはどういう意味だったのか」「ほかの人の解釈を知りたい」という人にとって、決して少なくない需要があります。


正直2~3行の内容紹介だけで映画ブログを書くのは現実的とは言えませんが、内容を概念レベルに昇華し、自分の言葉でまとめたり、ある特定のシーンについて、自分の意見を詳しく書くといった記事構成にすることで、翻案権を侵害することなく映画ブログを書くことができます。

俳優の画像は使える? パブリシティ権

著名人の氏名や肖像はこのように顧客吸引力を持っているので、一つの経済的利益、または価値を有するようになります。そして、この自己の氏名や肖像から生じる経済的利益ないし価値を排他的に支配する(つまり無断で第三者に使わせない)権利を、パブリシティ権といいます。
引用元:パブリシティ権が発生する場合と発生しない場合 - モノリス法律事務所


有名人の顔を勝手に集客に使用してはいけないということです。


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俳優の画像をブログに貼るだけなら集客しているとは言えないのでは?

例えばあなたが『パイレーツ・オブ・カリビアン』のレビュー記事にジョニー・デップの写真を使ったとします。


ジョニー・デップのファンが「ジョニー・デップ🔍」と画像検索した場合、あなたの記事へのリンクを持つ画像が表示され、もしかしたらクリックされるかもしれません。


これは、ジョニー・デップを集客に利用していると言えるのではないでしょうか。


たとえあなたにジョニー・デップの顔でPVを増やそうという意図がなかったとしても、実際にそれでPVを増やし、広告収入を得ていたとしたら、それは有名人の顔で経済的利益を享受しているということになるので、パブリシティ権を侵害していると言えるでしょう。


俳優の画像を載せたい場合は、先ほどと同様に正しい引用SNS画像埋め込みで対策できます。

ファスト映画はなぜ違法?

2021年6月23日、著作権者の許諾を得ずに映画『冷たい熱帯魚』や『悪の教典』など、5つの作品のファスト映画をYouTube上で公開した男女3人が著作権法違反の疑いで逮捕されました。

ファスト映画は、映画を見る時間のない人にとっては短時間で”映画を観た気になれる”し、その映画を見たことがある人にとっては忘れかけていたストーリーを思い出したり懐かしんだりできるということである程度の需要があったようです。


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ファスト映画は具体的に何がいけなかったのかしら?



ズバリ、ファスト映画の一番アウトな要素は、翻案権をゴリゴリに侵害している点であると考えられます。

ファスト映画の目的は、映画の解釈や独自の考察を提供することではなく、”映画の内容を短時間にまとめて提供する”ことにあります。

Point

著作権法27条「著作者は、その著作物を翻訳し、編曲し、もしくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案する権利を専有する。」

→権利者の許諾なく著作物を翻案(変形・翻訳・編曲・脚色等)した場合、原則として著作権侵害が成立する


つまり、映画のストーリーを文字起こしして大雑把な流れだけを劇中映像や画像とともにギュッっとまとめているため、詳細なネタバレは要注意 翻案権で述べたようにファスト映画の視聴者は映画を未見でも内容を知ることができてしまいます。これによって元の映画の興行収入が減ることが危惧されますから、悪質とみなされ捜査のメスが入ったのでしょう。


動画でなくても、映画のあらすじを頭からケツまでまとめているような映画ブログはやっていることはファスト映画と同じですから、今回の件によってそういった映画ブログも目をつけられる事になるかもしれません。

映画ブログはアドセンスの審査で不利になるのか?

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映画ブログはアドセンスの審査で不利になるの?

これは、これから映画ブログを頑張っていこうと考えている方の多くが気になっていることかと思います。


一般的に、映画ブログは他ジャンルと比べてアドセンスの審査に落ちやすいと言われています。


映画ブロガーの不承認理由として考えられる原因は


目次
・著作権等の違反

・映画のあらすじが大半を占めていて、価値が低いと判断される

・感想文のようになってしまっていて、価値が低いと判断される


使う画像などには気を付けていても、翻案権についてはあまり知らなかった為に知らず知らずのうちに違反してしまっていた、というパターンが多いと思います。


また、ジャンルの性質上、どうしても感想文みたいになってしまいがちです。


それでは読者にとって有益ではない情報だと判断されるので、審査に通りにくいと言われています。


感想文みたいになってしまうことについては、映画のロケ地情報や公開期間、前売り券の特典など読者が知りたいであろう情報を盛り込むことによって改善できますし、著作権等の違反についてはこの記事で勉強することによって防ぐことができるので、アドセンスの審査は十分通すことができると言えるでしょう。

権利の侵害を回避する5つの対策

ここまでは、映画ブログで気を付けなければならない著作権等のルールについて勉強してきました。


ここからは、上記を踏まえてどのような対策が取れるかを解説します。


もちろん映画以外のブログでも著作権等の対策は必須ですので、知っていて損はないはずです!

【著作権・パブリシティー権対策】引用を使いこなす

公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。
引用元:著作権法 | e-Gov法令検索

著作権の保護を受けているものであっても、画像、文章を問わず引用することで使うことができます。


ただし、引用すれば何でもアリというわけではありません。


引用にもルールがあります。


正しい引用のしかたをマスターしましょう!

引用元を明示する

引用する際は、合理的な方法、程度で引用元を明示しなければなりません。


どのように明示するかというと、引用の場合は引用文もしくは画像のすぐ下に

「引用元:<a href="引用元のURL">引用元のサイト名</a>」

と記述します。


引用元が分かりやすく、その場からワンクリックでアクセスできる上記の方法が、ブログにおける引用のメジャーな方法です。


画像を引用する際は、くれぐれも直リンク(画像のURLをコピー&ペーストして自サイトに直接表示させること)は避けてください。


かならず画像をダウンロードして自分でアップするようにしましょう。

blockquoteタグを使う

読者だけでなく、検索エンジンにも「これは引用コンテンツである」とわからせる必要があります。


ただ引用元を文章で表しただけだと検索エンジンには引用だと理解できないので、引用文または画像を<blockquote></blockquote>で囲みます


これをしないと検索エンジンにコピーコンテンツだと認識されてしまうので、かならず忘れないようにしましょう。


これら「引用元を明示」と「blockquoteタグを使う」を合わせると、実際の引用はこのようになります。


文章を引用する場合


元々は筋トレサプリメントのアフィリブログを作ろうと思ってはてなに登録したので、その名残ではてなIDがめちゃくちゃダサいです。
引用元:モナリザ.com プロフィール


画像を引用する場合


過去記事の画像
引用元:モナリザ.com  ドバイ旅行に本当に必要な「16の持ち物」


引用符が表示されるため画像の見栄えは悪くなりますが、そもそもオリジナルコンテンツではないものを使わせて頂いているのですから、そこは我慢しましょう。


さて、これで「引用の方法」はマスターしましたが、引用はやたらめったに乱発してはいけません。


使い時にもルールがあります。

主と従の関係を保つ

画像であれ文章であれ、著作物を引用する際にはオリジナルコンテンツと引用コンテンツの主と従が適切でなければなりません。


オリジナルコンテンツが主であり、引用コンテンツは補足資料程度にとどめておく必要があります。


装飾目的で画像をぺたぺたと引用することや、引用文章に対してコメントをちょこっとだけ載せて自コンテンツとすることは認められていません。

モナリザの画像

とはいえ、映画ブログだし、もっと画像を使いたいんだけど!

引用以外にも、安全に画像を表示させる第2の方法があります。

【著作権・パブリシティー権対策】SNSの画像を埋め込む

それは、SNS画像をブログに埋め込むという方法です。


SNSの画像埋め込みは公式に認められた機能なので、例えば俳優の画像など、引用では使いにくい画像でも自由に使うことができます。

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著作権とかは大丈夫なの?

Twitterの利用規約には、はっきりと

このライセンスによって、ユーザーは、当社や他の利用者に対し、ご自身のツイートを世界中で閲覧可能とすることを承認することになります。
引用元:ツイッター利用規約

インスタの利用規約にも

ただし、利用者がサービス上で、またはサービスに関連して、知的財産権の対象となっているコンテンツ(写真や動画など)をシェア、投稿またはアップロードする場合、利用者は、弊社が(利用者のプライバシー設定およびアプリ設定に沿って)利用者のコンテンツをホスト、使用、配信、変更、運営、複製、公演、公開あるいは翻訳し、また派生作品を作成する非独占的、使用料なしの、譲渡可能、サブライセンス可能な全世界を対象としたライセンスを付与するものとします。
引用元:インスタグラム利用規約

とあります。


記事を華やかにしたい、たくさん画像を表示させたいといった場合は、この機能を活用しましょう。

SNS画像の埋め込みかた

ツイッター画像埋め込みの手順


ツイート埋め込み方法の解説1


「ツイートを埋め込む」をクリックします。


ツイート埋め込み方法の解説2 「Copy Code」をクリックし、記事にペースト


インスタグラムの埋め込み


インスタグラムの埋め込みもツイッターと同じで、


インスタグラムの埋め込み方法解説1 右上の点3つのアイコンをクリックし、


インスタグラムの埋め込み方法解説2 「埋め込み」をクリック


インスタグラムの埋め込み方法解説3 「埋め込みコードをコピー」→ブログにペースト


で簡単に表示させることができます。

SNS画像を埋め込む際の注意点

便利なSNS埋め込みですが、一つだけ注意点があります。


それは、埋め込む投稿自体が著作権違反をしていないかということです。


第三者が投稿する俳優や映画ポスターの画像などはそれ自体がそもそも著作権違反している恐れがあるため、埋め込む際には俳優本人や映画の公式アカウントの投稿を埋め込むようにしましょう。

【翻案権対策】ネタバレは独自の言葉で

記事の前半で、「映画の内容は数行でまとめなければならない」と解説しました。


しかし、どれだけ長く書いても翻案権違反に当たらない書き方があります。


それは、内容を一度概念レベルまでかみ砕き、自分なりの言葉で説明するというやり方です。


映像を1から10まで書き起こすのではなく、表現を工夫して、映画を見た人にしかわからないような書き方でネタバレするのは、コピーコンテンツではなくれっきとしたオリジナルコンテンツです。


こればっかりは言葉で説明しても伝わりにくいので、実際に読んでいただいた方が分かりやすいかと思います。


具体的には、こういう書き方だったらOKです。↓


ドラマ『ダーク・マテリアルズ ⻩⾦の羅針盤』感想(ネタバレ)…ドラマシリーズで再び! | シネマンドレイク:映画感想&レビュー

映画の内容を自分の中で咀嚼した上で、感想や豆知識を交えて再構成されていますよね?


感想をメインとするタイプの映画ブロガーには、映画を愛する心と、こういった高度な文章力が必要なのです。

【翻案権対策】あらすじは数行でまとめる

もう一つ、翻案権違反を回避する書き方としては、あらすじをザックリまとめた後、特定のシーンをピックアップして論じるという書き方があります。


この方法ならば、映画の内容を詳細に書き起こすことにはならないので、翻案権違反に問われることはないでしょう。


全体の感想はほどほどに、気になったシーンにスポットライトを当てて、社会問題や他作品との比較なんかを通して論じるタイプの映画ブログはオリジナリティが高く、Googleからも評価されやすいでしょう。


読者としても、そういったブログは新たな気づきや学びがあって、読んでいて面白いですね。


以上、映画ブログにつきまとう著作権問題とその回避策を紹介させていただきました。


映画ブロガー様のお役に立てたなら幸いです。